まずは問題の状況を整理しましょう。
40ページの冊子を10枚の紙で作るので、1枚の紙には表と裏で合わせて4ページぶんの番号が印刷されます。「1枚=4ページ」——これがこの問題のいちばん大事な土台です。
この記事のねらいは、ただ答えを出すことではありません。(1)で見つけた規則を「nを使った式」に一般化し、その式が(2)(3)でそのまま武器になる——その流れを体験することです。では本題へ。
設問 1同じ紙にある4つの番号を見つける
ページ番号16がある紙において、16と同じ面にあるページ番号はアであり、その裏面にあるページ番号はイとウである。(イ・ウは順不同)
まず、冊子のしくみを図で見る
いきなり16を考える前に、冊子そのもののしくみを押さえます。中とじの冊子を外側の紙から開いていくと、ページ番号はこう並んでいます。
規則を使って、16の紙を解く
規則①があれば、16の紙の4番号は計算で全部出せます。順番に。
和は41だから、相手は 41 − 16 = 25。これで1組(16と25)が決まりました。
1枚の紙は4ページ。残り2つは 16のすぐとなりのページ15 と、その相手 41 − 15 = 26。
これで4つそろいました → 15・16・25・26
表裏の並びは下の図のとおり。16は裏面、同じ面に25。反対の表面に15と26。
ここが本番:16を「文字 n」に置きかえる
(1)は16という具体的な数で解けました。でも、ここで終わってはいけません。同じ計算を「もし最小ページが n だったら」でやり直すと、(2)(3)で使える一般の式が手に入ります。
さっきの16の紙を思い出してください。最小の番号は15でした。これを n とおいて、まったく同じ手順をなぞります。
整理すると、最小ページを n とした紙の4ページは、必ずこう書けます。
n , n+1 , 40−n , 41−n
(n と 41−n で和41、n+1 と 40−n で和41。どんな紙でも成り立つ)
この4つの式が、これから(2)と(3)を解くときの出発点になります。(1)は単独の小問ではなく、(2)(3)のための「規則づくり」だったわけです。
設問 2その紙にのる出席番号
40ページの冊子に、2年生80人の自己紹介を五十音順に掲載する。ページ1に出席番号1番と2番、ページ2に3番と4番…のように貼る。ある紙の4つのページ番号のうち最小を n とするとき、その紙にのる8人の出席番号のうち、最小はエ、最大はオである。
(1)で作った4ページ { n, n+1, 40−n, 41−n } をそのまま使います。新しく加わるのは「各ページに2人ずつ貼る」という条件だけ。2段階で進めます。
ページ1 → 1番・2番、ページ2 → 3番・4番…と、ページが1進むごとに番号は2ずつ増えます。式にすると ページ p には「2p−1 番」と「2p 番」。(p=3 なら 5番・6番 ✓)
①の式に、(1)の4ページ n, n+1, 40−n, 41−n を順に代入します。下の図のとおり。
8つを見比べると、最小は 2n−1(最小ページ n の左の番号)、最大は 82−2n(最大ページ 41−n の右の番号、2(41−n))です。
設問 3誤記入から番号を求める
出席番号が2桁のある1人が、十の位と一の位を逆にした2桁の整数を誤って記入していた。その誤った整数と、同じ紙の他の7人の出席番号との8つの数の総和は 288 だった。番号の記入を誤った生徒の出席番号として考えられるものをすべて求めよ。
難所ですが、ここでも(2)で出した8つの式を使います。ポイントは、いきなり288をいじらず、まず「もし誰も間違えなかったら合計はいくつか」を求めること。
ステップ1:本来なら合計はいくつ?
(2)の8つの出席番号を全部足します。並べるとこうです。
+(79−2n)+(80−2n)+(81−2n)+(82−2n)
文字 n が入っていて難しそうですが、ここに気持ちのいい仕掛けがあります。2n の部分だけを取り出すと——
同じ数だけあるので、ぜんぶ打ち消し合って消える!
n がきれいに消えて、合計はいつでも324。「どの紙でも、本来なら8人の合計は324」という意味です。
ところが実際は288。本来324のはずが288なので、324 − 288 = 36 のズレが誤記入で生まれたことになります。
ステップ2:誤記入のズレを文字式にする
本来の番号の十の位を a、一の位を b とすると、本来の番号は 10a+b(例:51なら a=5, b=1)。十の位と一の位を逆に書いた番号は 10b+a。
実際の合計288は「本来の324から、その人の本来の番号(10a+b)を取り除き、代わりに逆に書いた番号(10b+a)を入れた」もの。式にすると——
ステップ3:方程式を解く
「本来の番号は、十の位が一の位より4だけ大きい」と分かりました。あとは条件に合う番号を探すだけ。
ステップ4:あてはまる番号を全部探す
条件は2つ。① a − b = 4、② 出席番号は1〜80(2年生80人)。a は十の位なので1以上。順に試します。
| (a, b) | 本来の番号 10a+b | 80以下か | 判定 |
|---|---|---|---|
| (5, 1) | 51 | ○ | ○ 採用 |
| (6, 2) | 62 | ○ | ○ 採用 |
| (7, 3) | 73 | ○ | ○ 採用 |
| (8, 4) | 84 | × | 除外(80超) |
| (9, 5) | 95 | × | 除外(80超) |
※ (4,0) は逆にすると「04」で2桁にならず不適。a が8以上は本来の番号が80を超えて不適。
残ったのは 51・62・73 の3つです。
ふりかえり(1)の一般化がすべてだった
今回の問題は、3つの設問が一本の線でつながっていました。
(1) 「向かい合う和は41」を見つけ、16の紙を解いた。さらに 16を n に一般化して、4ページ= n, n+1, 40−n, 41−n を導いた。← ここが全部の土台
(2) その4ページに「ページ p → 2p−1, 2p」を当てはめ、8つの出席番号を式で表した。
(3) (2)の8つを足すと n が消えて合計324。あとは誤差を方程式にするだけだった。
規則性の問題は、具体例(16)で見つけた規則を、文字(n)の式に一般化できるかが勝負どころです。一般化さえできれば、その式は次の設問でそのまま使えます。今回まさに、(1)で作った式が(2)(3)を解く道具になりました。